巨大蛾「クスサン」が、今年は札幌に大量発生しています!
このクスサン、とにかく見た目が大きくて気持ち悪いし怖い!ですよね。
過去にも道内で大量発生したことがあるクスサンですが、札幌市内では地下鉄・東西線沿いの大通より西方面で出没しているようです。
逃げても襲ってくるように見えるクスサン、大量発生の原因は?
また、卵に注意が必要との情報がありますが、その理由や、もし洋服に卵がついていたらどうしたらよいかなど、クスサンに関する情報をお伝えします!
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札幌・西区の地下鉄・琴似駅のクスサンの様子
(画像引用元:北海道新聞(2023年8月25日))
写真は8月24日午後9時ごろ、札幌市西区の市営地下鉄琴似駅の様子。
写真の中で白く舞っているいるのは、大量の「クスサン」。
ニュースや動画などで、クスサンを目にして逃げ惑う人の姿を見た人も多いのではないでしょうか。
3番出口周辺では、電灯に100匹近いクスサンが群がっていたほか、壁や床のあちこちに止まっているのが確認されました。
上川地方や空知地方でも大量発生
このクスサン、2006年から2012年にかけて上川地方や空知地方で、2021年は三笠市や上富良野町など、昨年2022年は旭川市や留萌市などで大量発生が確認されています。
森林が広がる地域で大量発生することはこれまでにもあったそうなのですが、札幌、しかも都市部での大量発生は初めてだということです。
自宅でのクスサン被害の様子
(画像引用元:北海道新聞(2023年8月25日))
札幌市では、住宅の庭に大量発生したガを住民がガスバーナーを使って駆除しようとして火事になりかけるトラブルも起きているそうです。
そのほかに大きなトラブルは現在まだ起きていないようですが、クスサンは街灯などの光に寄ってきます。
夜間は家や車などの窓の開けっぱなしにしないようにするなどの対策が必要です。
また、昼間はどうやらあまり活動的ではないようで、建物の壁面や木、街灯などにとまってじっとしています。
怖いのは卵を産み付けられることなので、もし近くに成虫がとまっているのをみたら、その後、卵を産み付けられていないかを確認しましょう。
巨大蛾クスサンの卵に注意
(画像引用元:長野県農業関係試験場ー農作物病害虫データベース)
今年大量に発生したクスサンが産んだ卵は越冬して、翌年成虫になるため、来年も大量発生の可能性あります。
大量発生を防ぐためには、卵の段階で駆除することが最も効果的だそうです。
クスサンの卵は縦横2ミリほどの大きさの細長い球体で、住宅の壁や樹木などに密集して産み付けられます。
全体に白っぽく、上の方の先端部分が黒いのが特徴です。
卵の被害(洗濯物や服につく?)
卵自体に関する被害の情報は、現在のところ見当たりませんでした。
しかし、もし洗濯物や服に卵がついたまま越冬してしまうことを考えると大変恐ろしいので、昼間、クスサンが壁や木にとまっているのを見かけるような場所では、外に洗濯物を干すことは避けたほうがよいでしょう。
卵を見つけたら(対処方法)
クスサンの発生を抑制するためには、卵の段階での除去が最も効果的です!
来年の大量発生を防ぐためには、今行動しなければならない、ということです。
もしクスサンの卵を見つけたら、高圧洗浄機等で除去・破壊してしまうか、ヘラなどではぎ取り、ごみとして処分するか土中に埋めてください。
成虫が飛来する時期を終えたら、特に、雪に埋まってしまいそうな低い場所を中心に、家周りの確認を行ってください。
土や砂利の上に放置すると春にふ化してしまいますので、ご注意を。
巨大蛾クスサンなぜ大量発生?原因は?
(画像引用元:北海道新聞(2022年10月18日))
なぜクスサンは大量発生しているのでしょうか?
道立総合研究機構林業試験場の内田葉子研究職員によると、「詳しい理由は分かっていない」とのことです。
しかしながら、「温暖化によって生育に適した環境になり、個体数が増えて都市部に移動している可能性がある」ということです。
巨大蛾クスサン駆除方法
バササと大きな翅を広げて飛ぶ大量のクスサン…駆除する方法はないのでしょうか?
現在、クスサンを駆除する有効な方法がありません。
ですので、網戸をして窓を開けるなど、クスサンが家の中などに入りこまないようにする対策を中心に行いましょう。
蛾の駆除スプレーはある?
残念ながら、クスサンの成虫に殺虫剤などの駆除スプレーも効果がないそうです。
だからこそ、卵の段階での除去が最も効果的なんですね!
巨大蛾クスサンを見つけたら(回避方法)
もし街中でクスサンに出会ったら、どうしたらよいのでしょうか?
実際にクスサンを見かけた方は、バササと音を立てて飛ぶクスサンの姿を見て「大きくて気持ち悪いな」「怖いな」と感じたはずです。
でも、クスサンは成虫も幼虫も、毒は持っていないので安心してください。
ただ、クスサンの幼虫は非常に食欲が旺盛で、1枚も葉を残さず食べ尽くしてしまうことも多くあります。
お庭で菜園などをされている方はご家庭の草木の様子や街路樹の様子を注意深く見てみてください。
やってはいけない行動
クスサンは光に寄ってくるので、スマホなどの光にも反応して近づいてきます。
クスサンに出会ったら、スマホの画面をOFFにするなど、光を発しないようにしましょう。
巨大蛾クスサンの正体は?
(画像引用元:共和町「大型の蛾(クスサン)の特徴と対策について」)
「クスサン」は、大型の蛾で、成虫が羽を広げると10センチ以上、大きい個体では15センチほどにもなると言われています。
褐色の大きな翅(はね)をもつのが特徴です。
翅を開くと丸い、目のように見える模様が見えますが、これは「眼状紋」といって、敵に対する防御のための模様だそうです。
幼虫は4-7月に出現し、体長80mmにも及ぶ青白色の大型のケムシで、白色の長毛を生やしているためにシラガタロウと呼ばれます。
(画像引用元:公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会)
写真はもうすぐ蛹になる段階の幼虫だそうですが、たしかにもふもふして見えますね。
クリ、サクラ、ウメ、イチョウ、クスノキなどの樹木の葉を食べます。
幼虫は7月前半頃に楕円形の固い網目の繭を作って蛹になり、9月から10月にかけて羽化します。
成虫の寿命は、1週間から長くても10日ほどだと言われています。
マイマイ蛾との違い
道内で周期的に大量発生している蛾には「マイマイ蛾」もあります。
(画像引用元:札幌市ホームページ「住まいの虫たち」マイマイガ)
マイマイ蛾は、大きい個体でも10センチほどで、クスサンより一回り小さい蛾です。
羽の色は、オスが焦げ茶色をしており、一見クスサンとよく似ているようにも見えますが、メスは白色です。
クスサンとマイマイ蛾の最大の差は、毒性を持つかどうかです。
クスサンは成虫も幼虫もに毒は持っておらず、触ってもかぶれることはありませんが、マイマイ蛾は幼虫の体毛に触ると、皮膚がかぶれることがあります。
マイマイ蛾も近年中に大量発生予定!?
北海道では、周期的に蛾が大量発生しており、研究者の間では「まもなくマイマイガが大量発生する」との見方が広がっているようです。
マイマイ蛾の大量発生を防ぐためにも、クスサン同様に卵の段階で駆除するのが最も効果的です。
(画像引用元:札幌市ホームページ「住まいの虫たち」マイマイガ)
上の写真は、マイマイ蛾の卵。鱗粉で覆われ茶色をしています。
マイマイ蛾の卵も、樹木や壁、電柱などに塊で産みつけられますので、見かけたら駆除するようにしましょう。
札幌に大量発生「クスサン」まとめ
札幌市で大量発生している巨大な蛾の「クスサン」。
クスサン自体は、毒を持っておらず、触っても有害ではありませんが、住民の不安を煽ることは間違いないですよね。
現在のところ、クスサンの成虫を駆除するための効果的な方法はなく、1週間程度で息絶えるまで待つしかないようです。
なによりも、翌年の大量発生を防ぐために、卵を見つけたら積極的に除去するようにしましょう。
道立総合研究機構林業試験場の内田葉子研究職員へのNHKのインタビューによると、
ことしの大量発生については、成虫に羽化する時期が来月上旬までで、寿命は長くても10日ほどのため、来月中旬には終わる見込み
だということです。
面積のおよそ7割を森が占めている北海道。広大な自然の恩恵を受けて暮らす北海道民にとって、虫との共生は今後も大きな課題になりそうです。